Linguistic Relativity (Scratchpad)
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映画『Arrival』より
サピア=ウォーフの仮説とも。
- 強い仮説: 「言語は思考を全面的に決定づける」、ウォーフ主導とも
- 弱い仮説: 「言語は思考に何らかの影響を及ぼす」、サピア主導とも
現在は弱い仮説が主流。
baku89.iconは、ツールと発想の関係性に置き換えて考えた場合、強い仮説が成り立つと考えています。
Douglas Engelbartもまた影響を受けている。
ボアズ゠ヤーコブソンの原理
「言語の違いは基本的に、なにを伝えていいかではなく、なにを伝えなければならないかということにある(*32)」。いいかえると、言語間の決定的に重要な違いは、話し手になにを表現することを許すかではなく──理論上、どんな言語もあらゆることを表現できるのだから──話し手にどんな情報を表現することを強いるかにある。
今日の言語学、認知科学の分野では、言語が思考に及ぼす影響を、それが真正の推論にかかわる場合にのみ有意と認める、という考え方が主流になっている(*1)。たとえば、ある言語が、べつの言語の話し手なら簡単に解けるような論理問題を解く妨げになることが証明されれば、影響は有意と認められる。論理的推論にこのような制約的影響を及ぼす実例はいまだ提示されていないから、必然的にそれ以外の影響には意味がなく、人間は基本的に同じやり方で思考する──というのが主流の説である。
ガイ・ドイッチャー『言語が違えば、世界も違って見えるわけ』、p. 330