橋本 Hashimoto   Baku

橋本 Hashimoto   Baku

樹木希林は付き人をつけない (Scratchpad)

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いわゆるAI技術に触れて嬉しかったのは、もしかしたらアシスタントを雇う必要は一生ないのかもしれないっていう予感

樹木希林方式でいい

付き人、取り巻きの存在全体を否定するつもりではない。そうした人間を連れ回すことが、ある種の自尊感情ないし、その人の経済価値を保つのに必要な人もいる

前途有望で、ナイーブで、そして何より安い労働力(経験を積んだらその分労働力として高くつく = 独立)を5年周期で取っ替え引っ替えしないと業務が成立しないのは基本的にクソ
実際、アシスタント募集をしているデザイナーもディレクターも周りにいるけど、年齢制限をしていたり(なんで?)、あるいは教えている大学の学生を引き抜きがち

基本的に下積みの必要性は、二度と下積みをする必要のない年長者が経験のない労働力を安く買い叩くための方便だとすら思っているところがある

  • 社会経験を積むにしたって、下積みという形ではなく、最初からより主体的に働く方法のほうが早い時もある
    • 宇川さんみたく44歳になってから(そういうパフォーマンスだったにしても)弟子入りしたっていい
  • ただ、より影響力のある人につくことで、業界の商習慣を短期間で俯瞰することができるというメリットはある
    • しかし、N=1でしかないその人の経験を、独立後にある程度アンラーニングする必要も一方ではある
    • その「師匠」の嫌なところも含めて内面化してしまうので

……AI技術はそんな状況をすこしはマシにしてくれる

純粋に人を育てることへの喜び、あるいは世代の違う人との接点を求めない限り、自分の人生に「アシスタント」はいらない

もっとそれ自体プロフェッショナルな技術としての「マネージャー」、あるいはプロデューサーだったりコラボレーターは居てほしいけれど


好きなADの方が、「バスケ部の後輩」みたいな雰囲気のボーイ数名を携えてぞろぞろと打ち合わせに現れたのが結構印象に残っている

これからどんどん若い方々自体が絶対数としても少なくなっていき、そしてますます企業への就職志向が高くなっていくなかで、あの雰囲気の丁稚制度ができるのは、今の40代前後の方々が最後の世代なんだろうなってふと思う。

優秀な人ほどNEW Creators Clubのように20代からチームを組むか、組織に所属する。インデペンデントにやることへの執着はあまりない。


ciotanさんも昔こういう記事を書いていた。→ 弟子はいりません。 | ciotan blog(しおたんブログ)


その一方で、むしろぼくが誰かの丁稚奉公をしてみたい、っていう気持ちも一方である。一切の師弟関係を経ていない、学生時代にはっきりと「恩師」と呼べる存在に出会ったことがない身として、少しばかり憧れがある (人として好きな先生、お世話になった先生はたくさん居るものの)

鈴木敏夫に「弟子入り」したドワンゴ川上会長みたいな?