橋本 Hashimoto   Baku

橋本 Hashimoto   Baku

変数空間の失敗 (Scratchpad)

This page is a personal scratchpad.

QWOP

『コントロールについて』細金卓矢 においても触れられている。操作可能な変数空間が認知的に自然な目的変数空間から乖離するほど、人はコントロールのし難さを覚える。

ゲーム『QWOP』は、その操作のしづらさを楽しむクソゲーで、その名の通りQWOPの4つのキーのみを操作に用いる。QとWが股関節の開閉、OPが膝関節の角度の調整に対応している。これは、人が走る時に意識するであろう「左右の脚ごとにどのくらいの強度で地面を蹴り出すか」というパラメーターから乖離している。キーの押下した間だけ一定速度で関節が動くという仕様もまた、操作のしづらさに拍車をかけている(操作の次元)。

  • 同じ自由度だが、座標系の取り方が失敗している例
    • IK / FK
      • 腕をアニメーションする時、肩と肘をどの角度に設定するかよりも、手の位置をどこに置くかを設定する方が認知的に容易。
    • HSB / RGB
    • 水勢と温度 / お湯の量と水の量
    • ■ ■ ■ ■ ← のように図形をタイリングする際、ステップ幅と総数 / 総横幅と総数 / 総横幅とステップ幅 のどれを選ぶか
  • 認知上の自由度に対して、操作可能な自由度が不必要に高い例
    • パラメータとして複数の要素がお互いに拘束しているにもかかわらず、操作としては独立した別々のパラメータであるケースです。
      『コントロールについて』細金卓矢

    • アートボードを拡大縮小する際、アスペクト比を固定する手段が無く、幅と高さを個別に調整しなくてはいけない
  • 関連した変数を個別にしか操作できない(入力の並列化が行われていない)例
    • Etch a Sketch