橋本 Hashimoto   Baku

橋本 Hashimoto   Baku

デジタル映画祭 (Scratchpad)

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をまたつくりたいね。

松永 釣部も最初は学生 CG コンテストだったんですよ。[...] 映像もインスタレーションも何でもあり、全部並べて一番強いやつが優勝、みたいな。それに憧れたというか。その時作ってた作品もいわゆる大喜利コント映像みたいなショートフィルムを作って出してて。ストーリーがありつつ、映像表現というか、やってることの変さというか、OK Go っぽいアプローチしてみたりとか。 [...] 卒業した後に「どうしたらいいんだ?」ってなって。文化庁メディア芸術祭ぐらいしか代わりの場所が見当たらなくて、とりあえずそこを目指したんですけど。フィールドが結構細分化されちゃってあんまり他にないというか。映画だったらぴあフィルムフェスティバルとか、ちゃんとした映画系になるし。自分たちの目指してたものをどこに持ってったらいいんだ?となって。
I.CEBERG TALK vol.01 松永昂史 × 荒牧康治

わかる。よく人に、新千歳空港国際アニメーション映画祭は麦くんのホームだよねって言われるけど、2回しか実地にいったことがないし、ああいった独立系アニメーションシーンのど真ん中に入れているかっていわれるとそうじゃない。いまだにストレンジャーなところがある。ノンナラティブだし描きのアニメでもないし。

それこそ思うのが、DOTMOVRESFESTonedotzero みたいな「デジタル映画祭」だったり、Vimeo Staff Picks がすくい上げていたような映像作品の居場所って最近あまりないよねってこと。メディアアートでもなければ、アニメーションでもない。Motion Plus Design、あるいは今日開催の Pixel by Pixel のようなイベントは、なんというか尊ばれるトーンも志向も「インダストリー」過ぎて、実験的な手法も、David O'Reilly的なものもあまり掬われない。コロナ禍の Motion Plus Design 東京開催回では、モーションデザイナーに混じって冠木佐和子さん、辻川幸一郎さんが登壇される、っていうイレギュラーもあったけれど。そればぼくみたい人間ががMotion Plus Design in Paris 2018にお呼ばれしたのも、そうといえばそう。

やりたいイベントが「コンペティション」であるべきかはわからない。けど映画祭の醍醐味のひとつは、実際のところ現地でのみんなとの交流であって、「インコンペ」した時点でなんとなく目的が果たされたような気持ちになったりする。だから「賞」のイメージとは裏腹に、いうてそこまで競争的な場になるわけでもない。けどデジタル映画祭っぽいのは数年内に作りたいな。

  • ジャンルはアニメーション、モーショングラフィックス、グラフィックデザイン、実験映像、HCI、xRやインタラクティブコンテンツ含むデジタルアート全般。ただちょっとだけ time-based media 寄りではある。
  • デモやメイキング中心のプレゼンテーション、スクリーニングの2スロット開催
  • 交流用のロビーが併設されている。
    • ラウンジDJ/BGMがない静かなスペース
    • 強いWi-Fi
    • 立ちの高さの小さな丸テーブルがたくさんある
    • AirPlay可能なモニターやプロジェクターもたくさんある
  • 「作品」の submission だけじゃなくて、登壇発表についても、招待講演に加えて「Call For Participation」枠を設ける。ちょうど学会やテックカンファレンスみたいに。
  • Featured Projectsのように、Code of Conductを明示する。
    • むしろぼくがFPのお二人について一番すばらしいと感じているのは、CoC (元々は「コンプライアンス」という言葉で表現されていたけど)に対する毅然としたスタンス。

ただしDesign Pannism方面の言葉遣い、ノリだけは積極的に排除する。そうした界隈のひとでも、制作や作品のものすごく具体的な話をしてくれる方は大歓迎する。

  • 最近彼らと同世代の知り合いから訊いたのは、takram緒方さんやTHE GUILD 深津さんみたいな方も、実はすごく「最近個人的に試作したもの」みたいなことについてワチャワチャ話したいんじゃないかってこと。ただなんでんかんでん化してしまった以上、彼らにのしかかる社会的責務として、そういうデザイン・パニズム的な喋りっていうのを周りが求めてしまうっていう?

もう一つおもうのが、コマーシャルワークが中心の人をどう包摂するか? コマーシャルワークは「スクリーニングイベント」にできない。ゆえにトークに織り交ぜる必要がある。むしろ主従を転倒させて、「その人のプレゼンテーション」という体で、一言二言だけ話したことを言い訳にしながら、実質スクリーニングイベントにするっていうのもアリ。

最近、OFFF (Online Flash Film Festival) も FITC (Flash in the Can) も、実はFlashに由来するイベントだったって知った。短編アニメーションもモーショングラフィックスもデモもデジタルアートも「Flash的なるもの」としてゆるく括れていたのが、すごく良かったんだなって。

規模感としてちょっと夢を観すぎだけど、こういうイベントはいつかやりたい。まずはすごく小さいところから。

興味を持ってくださりそうな人?