橋本 Hashimoto   Baku

橋本 Hashimoto   Baku

なぜ川野洋はArt Simulation by Computerを重視したのか (Scratchpad)

This page is a personal scratchpad.
  • Purist / HybridsNEORT++ 『流れのパターン / Patterns of Flow』を書いていたときにも思ったんだけど、そもそも川野がPatterns of Flowをメインフレームで書いていた頃って、コンピューターを「絵筆の拡張」として捉えられるようなインタラクティブ環境ってなかったんじゃないかな?
  • 1963年って、サザランドのSketchpadと同年なんだよね。Computer Aided-Artが、CAD; Computer Aided Design をどこまで意識して作られたか、わかんない
  • あとは、仮にSketchpadを観ていたとして、当時のコンピューターをアーティストを支援(Aided)するに足るだけの、身体性の伴ったメディア/道具として認識するには貧弱すぎるように写ったんじゃないか

そして、子供への教育と同じようにコンピュータに対しても自身での試行錯誤とそれによる学習を経験させるべきであり、その困難な道こそがコンピュータアートが生まれたことの使命なのだと主張する。
hasaqui連載 第二回日本の黎明期コンピュータアートを再考する | MASSAGE MAGAZINE マッサージマガジン

Patterns of Flowもアルゴリズムからしてそうなんだよね。めちゃくちゃランダムな「未修正」の画をまず書いて、そっからKernel単位でちょい、ちょい、とMarkov chain的なルールで、ピクセルを置換していくことで、K-Systemがその近視眼的な「目」で読み取った、色面の配置の確率分布に漸次的に近づけていくっていく描き方

すごく擬人的なんですよね。試行錯誤を重ねながら、本物に近づけていく。だけどその「本物性」ってのは、ある種の確率分布に抽象化されたものであって、本物そのものではないんだよね

最近のGen Artでそういうスケッチの作り方ってあまり見ないですよね