木喬本 麦∿Baku Hashimoto

USBCNCの使い方でハマったポイント

Fusion 360のCAM機能で吐き出したツールパスをUSBCNCで読み込む際にハマったポイントをメモ。KitMill RD 300を使用。

参考記事

データより深く削り込まれる

Fusion 360での退避高さが必要以上に高く設定されていた。エンドミルが+Z軸方向に脱調したまま、(つまりソフトウェア上ではエンドミルがより高い位置に正しく移動していると認識された状態で)エンドミルが下がりはじめることが原因。

こちらの記事を参考に退避高さがフライス盤の制限高さを超えないように設定する。もしくはソフトウェアリミットを利用して、自動で停止するようにする。

材料を固定する両面テープがエンドミルに巻き付く

CAM設定の「ボトム高さ」を1mm程度高めることで対応した。硬い素材の場合は、一番最後に細めのエンドミルで輪郭加工するといいのかもしれない。

切削前にエンドミルが変な位置に移動する

エンドミル位置を移動する際、アルミハンドルを使うとUSBCNC上での位置と実際の位置がずれる。ステッピングモーターは、現在位置からの相対的な回転量でしか動かせないので、手動でエンドミル位置を動かすとその分ずれる。

また, 複数のエンドミルを使いっている場合、最初に一度原点に移動したのち(G28)、ツールチェンジの為に一時停止するようになっている。あくまで原点であって、切削開始位置ではないのがミソ。必ず以下の手順で切削開始したら大丈夫っぽい。

  1. 原点復帰
  2. 切削開始位置まで移動. エンドミルは各軸+方向に移動するようにする。このとき素材はテーブルより少し内側に配置する
  3. 各軸をリセット
  4. その状態で, USBCNCのAUTO > RESETを実行. プレビュー上で原点の×印からいくぶんオフセットされた位置にツールパスが表示されていたら成功

ツールチェンジの仕方がわからない

  1. ツールチェンジのタイミングで大体原点復帰する
  2. 必要に応じて, ジョグで交換しやすい位置にエンドミルを移動
  3. エンドミルを交換
  4. 素材の削られていない部分の上に交換後のエンドミルを移動 (すべて削られている場合は, 適当な場所に未加工の素材を置く)
  5. 通常の原点設定と同じく、エンドミル固定ねじをゆるめ, 素材の上面にエンドミルがそっと触れる状態で再度固定
  6. Z軸のみリセットをかける

両面テープが巻き付く

「M3」がおすすめらしい。紙の両面テープだとエンドミルにひっついた時にうまく剥がれない。

もし巻き付いた場合は、すかさず一時停止する。エンドミルを上げ、テープはがしで刃先についた両面テープをきれいに剥がす。再びエンドミルを同じ位置に、再開。このとき、完全に一時停止した位置に戻さないとエラーが出るので、ジョグ操作を使って上げた距離と同じ分だけ正確に下げる。