小利口かつ小器用

浅田彰西部邁のやりとり

西部 せっかくの機会だから浅田さんにも聞いてみよう。浅田さんがほとんど書かなくなったのは、世界や人類をばかにしてのことで
すか。
浅田 いや、単純に怠惰ゆえにです。しいていえば、矮小な範囲で物事が明晰に見えてしまう小利口かつ小器用な人間なので、大いなる盲目をもてず、したがってどうしても書きたいという欲望ももてない。要するに、本当の才能がないということですね。書くことに選ばれる人間と、選ばれない人間がいるんで、ぼくは選ばれなかったというだけのことですよ。と、今言ったことすべてが逃げ口上にすぎないということも、明晰に意識していますけれど。
1998年「批評空間」での西部邁、福田和也との座談会

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