橋本 Hashimoto   Baku

橋本 Hashimoto   Baku

Houdini覚え書き (メモ)

このページは個人的なメモ書きです。何かあればご連絡ください。

新年会で土肥さん比嘉さんに強くオススメされて以来, Houdini を勉強中です. 非公開の案件やこの夏のスタディなどでは早速実践投入しました. エフェクト系に限らず, モーショングラフィックスツールとして実はとても使いやすいんじゃないか, というくらい自分には心地の良いツールで, この一年で Cinema4D を代替できそうな勢いを感じるので, 色々とメモしておきます. 思い違いがあった時は教えてください.

コード片をガンガン書いたり, 常に高校数学で習う程度の行列だのベクトルだのを意識していなくてはいけなかったりするので, Adobe CC や C4D のようなデザイナーフレンドリーさや直感性は無いです. だから安易に同業のモーションデザイナーの方にはオススメ出来ないのですが, わりかしプロシージャルな考え方に慣れていて, 既存ツールの操作の冗長さに物足りなさを感じている方にはハマりそうな気がします.

C4D と比較して感じた点

MoGraph の機能が高度に一般化されている

  • ポイントやポリゴンに UV やウェイト, 色などあらゆる情報を Attribute としてセットしたり, グルーピングしそれらを元に形状を操作することが基本. Generator も Deformer も MoGraph もすべてこれで代替できる.
  • MoGraph がインスタンスに与えられる変化は PSR, 色, 時間オフセット程度なのに比べて, Group と Attribute で理屈の上ではあらゆる変化を加えることができる.
  • 逆に, C4D は Cloner や Effector, Falloff といった形で, グリッド状に配置する, ランダムに散らす, 影響度を直線的に減衰させていく, などの良く行う反復作業が簡易にまとめられている分, 同じようなことを Houdini でやろうとすると少しまどろっこしい.

プロシージャル

  • 逆に言えば様々なパラメーターをベイクせずにアニメーションさせることができる. MG 向き.
  • Xpresso や Quartz Composer の使い勝手の悪さにノードベースで作業とか無理と毛嫌いしていたけれども, 実に楽. H16 からはノードのアイコンもかわいいので少しテンション上がる.

フレーム逐次処理

  • C4D におけるパーティクルや Dynamics, Tracer などの逐次的な処理は, Houdini では Solver に集約されている.
  • C4D だとキャッシュの取り方などが曖昧だったのが, Houdini は明示的に処理してくれる. タイムライン上にも色で表示されるので, 時間を前後させたり途中からレンダリングかけて変な動きをすることがない.

オブジェクト操作

  • オブジェクトをモデリングする場(Geometry Level), それをシーン内に配置・動かす場(Scene Level)が分離されているので, 最初はプロジェクトの作り方に混乱する.
  • C4D はオブジェクトや, MoGraph インスタンス 1 つ 1 つがローカル座標を持っている. Houdini は(Geometry Level に関しては)すべてがただのポイントやポリゴンの集まり. トランスフォーム周りの考え方で少しつまづく.

その他

  • Heightfield, 楽しい.
  • AE のエクスプレッション的なことがが可能.
  • 中ボタンをよく使うことになる. Magic Mouse 好きなのでMagicPrefsとシールで対応した.

  • マテリアル設定やレンダリングは若干難しい. まだ分からない事だらけ.
  • Lader が便利.

Plugins

  • qLib: 評判が良かったので. まだ使い込んでいない.
  • Aelib: 半正多面体などの Digital Assets.

Study Resources

良いチュートリアル

記事 & サイト

書籍

  • 理論と実践で学ぶ Houdini -SOP&VEX 編-: 最近の本. コード多め. プログラミング経験の無い人には写経的に使えそうなので良いと思います, 巻末の SOP 一覧など俯瞰的に機能を参照できるので手元にあると嬉しい.

モチベーションが高まるリファレンス


Daily GIFs

金沢さんに教わった Bizon の eGPU ボックスで GeForce 1080 Ti が使えるようになったので, Octane の勉強も.

結局フォトリアルは飽きたので, 内部レンダラーの Mantra を使って Z 深度と AO だけでヘッダー画像みたいなものも作っていたりする. C4D よりもパスの書き出しが柔軟.