UIライブラリについての論文が国際学会に採択された
I’m really honored that our paper co-authored with Jun Kato on parameter-tuning widgets for creative software has been accepted to UIST 2025, one of the biggest international academic conferences on Human-Computer Interaction. It’s my first academic paper ever, which makes it way more special.
Tweeq: Parameter-Tuning GUI Widgets by/for Creative Professionals
初めて書いた制作ツールのインターフェースについての学術論文が、UISTというトップカンファレンスに採択頂きました。文化も使う脳の部分は全く違うけど、本職でいい映像作品ができるのと同じくらいうれしいもんですね。9月に釜山で発表してきます。
共著の加藤 淳さんは、HCI領域(Human-Computer Interaction; 人間とコンピューターの関係性を深掘るコンピューターサイエンスと社会科学の学際領域)、とりわけアニメーション制作やボカロ文化のファンダムのための創造性支援ツールについての研究で国際的に知られる方です。
NEWREELの山本加奈さんによるインタビュー を読んでくださって以来、ぼくの「ツールやワークフローから開発しながら映像制作する」というスタイルに興味を寄せてくださり、2021年にはSIGGRAPH Asiaのデモセッションに、2023年からは産業技術総合研究所に協力研究員として招聘いただいたりと、ぼくの映像作家としての実践をアカデミアに紹介するために、幾度となく手を差し伸べてくださりました。今回の論文執筆でも、そもそも美大を中退し、LaTeX? 査読? なにそれ状態だったぼくに、アカデミックライティングのイロハを手取り足取り指南いただいています。ものすごい勢いで推敲を頂きながらなんとか提出を終えた夜は、学術論文を書くうえで求められる言葉の精緻さ、先行研究へのリスペクトと学問知への誠実さに、なんだかすごく感激して、数時間放心しながら歩いていたのを覚えています。
加藤さんや、また別の機会で出会った詩人の福田 ぺろさんやミュージシャンのアリムラさん、あるいは4月のレジデンスでご一緒したアニメーション作家やキュレーターの友人との交流の中で得た感銘は、全く違う分野ながらも、「具体的な実践に接地しながら、発する一つひとつの言葉に細やかな意識を向ける」という姿勢に貫かれていたように思えます。それはそのまま翻って、Web業界やデザインファーム/コンサル界隈のある種の「言葉づかい」に対する違和感へとつながっていってしまうのですが……。
この数年はありがたいことに、いろんな領域において師と呼べる方と、上にも下の世代にも多く出会えているような実感があります。その中でも加藤さんは、アニメファンとして、そして立花隆の薫陶を受けた人文的な豊かさもそなえた研究者として、ぼくの試行錯誤を深いレベルで理解してくださる対話相手の一人です。
アクセプトを経てのお気持ち表明にはなってしまったんですが、こういう嬉しさや驚きはちゃんと書き留めておきたくて、久々にポストしてみました。論文そのものの話はそのうち書きます。英語だし多少専門的だし、本当に届いて欲しい方に読んでもらいづらい体裁をしているので、なんというか、ビデオエッセイでもつくろうかなって思ってます。