ピー・オー・シー(Proof of Concept)について (メモ)
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So What? 問題がデジタルクリエイティブの世界で頻発するのには、PoC の狭い捉え方が絡んでいる気がしている。
なんというか、システムや仕組みだけ考えて、あとから程よい理屈を付け加えることでコンセプトとしてそれらしく成立させることに寄りがち。そこには「プラットフォームの構想者自らが、具体的なコンテンツを同時に試作する」という行為が抜け落ちている。
そういうプロジェクトって、コンテンツ制作という「実証」を、「自由な “アソビ場” として使ってみてください」という形で色んなクリエイターに投げることすらある。
つまり PoC のなかで一番重要で、しかも一番たのしい部分である 「その仕組みのなかでどういうコンテンツが成立し得るかを、肌感として確かめる」 ところをアウトソースしてしまっている。もったいないと思う。(内容と形式は不可分)
別にプロじゃなくても、初心者でもバイブコーディングでもいいから、ちゃんと自分で一回コンテンツをこしらえるほうことで見える要素は確実にある。それが具体的に何かはプロジェクトによるけれど。ただ、全体的に言えるのは、「いかにもプランナーが考えた、プレゼンは綺麗に決まるが、実際に体験してみると微妙」なものが生まれる可能性は確実に減らせる。
仕組みについて考えたり、プロトタイプするのと同時並行で、そこにどういうコンテンツが入り込みうるのかをも同時に試作する。そのないまぜ感のなかでグチャッと実験しながら、プロジェクトが提供し得る「体験」とやらを文字通り体で理解していく。それこそが、JTCの請負型でも、代理店→制作会社の垂直構造でもない、「ラボ」を冠することの本来の意味なんじゃないのかなぁと思う。