超合理性

Superrationality - Wikipedia en.wikipedia.org

経済学やゲーム理論で登場する概念。Metamagical Themasのなかでの喩え話を引用すると、

もの好きな大富豪が、世界最高の賢人10人に手紙を出した。

「この手紙をあなたを含む賢人10人に向けて書いた。この内ただ一人だけ私に手紙を返送してくれれば、その者に全財産の半分をやろう。ただし、二人以上が返送したり、お互いに談合したりした場合はチャラだ。」

賢人はどう振る舞うべき?

ここで賢人は超合理性をもってるとする。

超合理的プレイヤーとは:

  • 完璧に合理的であり、自身の利得を最大化すべく、無限の手を無限回先まで考え、決定論的に判断を下すことができる
  • 同時に、他の「超合理的」な賢人も、同様の論証によって同じ結論に達するものとわきまえている

つまり、一人だけ「バカな賢人」を出し抜こうとズルをしようともしないし、そして「ズルな賢人」のために自分が損をこくことに恐れをなすこともない。

『メタマジック・ゲーム』のなかでホフスタッターが出した結論は、「1/10の確率であたりが出るくじを自分で引いて、『あたり』のときだけ返送する。『ハズレ』のときは、どれだけ誘惑に駆られようと、決して返送をしない。」

超合理的な自分が、たとえハズレくじを引いても、富を手にする可能性を少しでも高めるために反目して手紙を返送するということは、他の超合理的賢人も同様の戦略をとるはず。そのことは全員の利得期待値をゼロにする。だから、超合理的なプレイヤーは利他主義によってではなく、超合理性によって自ずと「ハズレくじを引いたので、私は手紙を返送しません」という結論に達する。

実際この戦略で、誰か一人が富を手にする確率は、

P=(101)(110)(910)9=(910)938.7%

あるひとりの視点では

Pself=110(109)93.87%


超合理的プレイヤーは、互いの超合理性を再帰的に加味した判断を下す。つまり、アリスとボブの二人の超合理的プレイヤーが参加するゲームにおいては、

アリスは超合理的であり、ゆえに

ボブは超合理的であり、ゆえに

アリスは超合理的であり、ゆえに

(以下再帰)…は超合理的な判断を下すものとわきまえている

と、わきまえている

と、わきまえている

と、わきまえている


超合理性はナッシュ均衡を導かない

自分の手だけ「必ず返送する」に変えれば、富を手にする確率は跳ね上がる。けど、超合理性は「他人の戦略を固定して自分だけ手を動かす」という思考自体を禁じる。だから、超合理的プレイヤーが選べるのは、利得表の対角線上だけで、よって囚人のジレンマのようなケースでも、お互いに協調を選ぶ道筋が開ける。


  • 相互確証破壊も、核保有する国同士が「超合理性」を持っている限り、安全な戦略である、とも言えるのかもしれない
    • 気が狂ったり、「自分だけが他国を出し抜ける」「出し抜かれるかもしれない」と思った瞬間に、先制攻撃が始まり、世界はブチ壊される
    • ちげぇよ by claude#icon