NeWNeW 3 二次審査 原稿 (メモ)
このページは個人的なメモ書きです。何かあればご連絡ください。
こんにちは、橋本麦(はしもと・ばく)です。
映像作家です。
モーショングラフィックスやコマ撮りなど、さまざまな映像技法に挑戦していますが、制作ごとにソフトウェアをプログラミングしたり、撮影装置(camera rig)から作ることを、自ずと自分のスタイルにしています。
そんな活動経緯もあり、最近ではHuman-Computer Interactionという学術領域においても研究論文を執筆しています。
先日はUIST(ウィスト)というトップ国際会議に採択され発表を行ってきました。
実は第二期の時も応募しており、そのときは3Dプリンタとフライス盤(milling machne)を用いたストップモーションアニメーションについて提案させて頂いております。その折は丁寧なフィードバックありがとうございました。
今回提案するのは、手描きのアニメーションと、コンピューター上でシミュレーションされる人工生命(Artificial life = A-Life)を統合した短編アニメーション企画です。
この企画は、第二期のほうで採択された Masa Kudo さんや Sumito Sakakibara さんらと共に参加していた EU-Japan Animation Residency への参加のなかで、さまざまなインデペンデント・アニメーション作家との交流のなかで浮かび上がってきたものです。他のフェローのアナログな制作手法に感化され、ぼく自身始めての手描きアニメーションに挑戦します。
企画自体は資料に書かれた通りです。膨大な手描きとタイリングからなる、うねりのようなアニメーション作品です。
ただ注意点として、ティザーでは「鮭の赤ちゃん」がフィーチャーされていますが、これはあくまで仮のモチーフです。このグリッド世界を構成する原子から生き物から銀河までの万物が、生まれては消えていく様子を細やかに描写していけたらなと思っています。
とはいえ、正直なところ、思うつきで描いていた鮭の稚魚に魅力を感じはじめているのも確かです。「水棲生物」のようにもう少し箱庭的な世界をモチーフにするのも良いのかもしれません。
スキップする可能性あり: ぼくのふるさとでは小学生の頃に鮭の赤ちゃんを育てて放流していたので、それらはちょっとしたノスタルジーでもあります。
企画の特徴としましては、あくまで中心にあるのはアニメーションの制作技法だということです。短編映画をつくることを第一義としながらも、ゲームや方法論やソフトウェアついての論文など、さまざまなメディアにこの作品を広げていけたらと考えています。
実際すでに、サイネージやVJなどにこのアニメーションを用いております。また、資料には書いてませんが、ちょうど、Michael Frei の Kids のような、ゲームにするのも面白いかもしれません。
ですあkら、「手描きアニメーションと人工生命」というアイディアを発端としながら、このプロジェクトはアニメーション、インディーゲーム、アカデミアなどを横断して発展してくものと確信しています。
メンターやプログラム運営の皆さんにとっても、ジャンルの境界にいる作り手との関わりが、新たなキュレーションや制作支援のあり方を探るうえで、ひとつの刺激となれば幸いです。
以上になります。ありがとうございました。