NeWNeW 二次審査 原稿 (メモ)
このページは個人的なメモ書きです。何かあればご連絡ください。
こんにちは、橋本麦(はしもと・ばく)です。
映像作家です。
モーショングラフィックスやコマ撮り、3DCGなど、作品ごとに手法を選びながら映像制作を続けてきました。特に、「道具」や「制作プロセス」そのものに興味があり、映像の語り口だけじゃなくて、そのワークフローやツール自体の開発も行っています。最近は、Human-Computer Interactionという学術領域でもクリエイターのための創造性支援ツール(Creativity Support Tools)に関する研究を、ある種当事者研究のような形で行っておりまして、映像作家(Experimental filmmaker)、メディアアーティスト、HCI研究者として学際的に活動しています。
今回の企画『積層と切削(Addition and Subtraction)』は、3Dプリンターとフライス盤(milling machine)という対照的な工作機械を主役にした、2本のストップモーション作品から成ります。
一般的な短編アニメのように「お話」があるわけじゃない、なんだか抽象的な実写作品なので、資料だけでは完成イメージが伝わりにくかったかもしれません。ただこれは、映像制作の裏側で使われている機械加工技術そのものを主題とした、ストイックな(geeky / nerdy?)企画です。
こうした作品は、いわゆるアルス・エレクトロニカ(Ars Electronica)のようなメディアアート系フェスティバルに出すには少しアニメーション的すぎ、かといって短編アニメーションの枠に収めるには少し文脈が異なる、そういう「狭間」にある企画だと思っています。だからこそ、NeW NeWを通して、まずは映画祭や短編アニメーション市場の中で、こうした実験がどのように受け止められるのかを客観的に見極めていきたいと考えています。また、今後国際的に活動していく上で、自分の作品をどう位置づけ、どのように発信していくかを実践的に学ぶうえでも、このプログラムへの参加は非常に意義のあるステップになるはずです。
メンターやプログラム運営の皆さんにとっても、ジャンルの境界にいる作り手との関わりが、新たなキュレーションや制作支援のあり方を探るうえで、ひとつの刺激となれば幸いです。
以上になります。ありがとうございました。