高校1年生の頃に地元の富貴堂MEGAで見つけて、初めてビジュアルプログラミングに触れるキッカケになった鹿野護さんの『Quartz Composer Book』、編集をBNN村田純一さんが手掛けられていたのをごく最近知って、心の中で盛り上がっていた。
高校生のころ、映像とコンピュテーショナルな表現への興味をうまく繋げられないかと思って、ActionScript3やDirectXの本を漁っていた。そんななかで、ぶっといフォントの背表紙の技法書に挟まって、異様に存在感を放っていたのがこの本。思わず手にとって買ってしまった。聞くところによれば、全くもって村田さんの目論見通りだったということなのだけど。
技術的に可能だからただブチ込むんでない、鹿野さんのニューメディアに対する落ち着いた眼差しや、「ニュアンス」への解像度は、16年経っても自分の血肉になっていると思う。当時はこれを読みながらWindows 98のスクリーンセーバーをMacに移植していたっけか。
この数年、編集者の仕事が自分の人格形成に及ぼした影響を身に沁みて実感する。僕の地元や母校のような、お世辞にも(僕が渇望していた種の)文化性にあふれているとは言えなかった環境で、こういうブッ飛んだ本を通して文化資本の水平伝播に浴することができたのは、色んな編集者の矜持あってのものなんだなぁって。Facebook含めすべてのSNSがメタクソ化し、その場に足を運ばないと良質な情報に触れづらくなっているなかで、これまで受け取ったものをどう緩やかにダダ漏れさせていけるか ―― それは本でもアーカイブでもソースコードでも良いんだけど、自分なりに考えていく時期に差し掛かっているのかもなぁと思った。