曲率
非ユークリッド幾何学自体はエッシャーが「円の極限」でモチーフにしていた位だし、ジェネラティブアート界隈でもそこそこの頻度で引用されてるモチーフだけど、大体2次元で終わることが多い上に、曲率が一定の空間しか扱っていなかったりする。
以前3次元で曲率がゼロじゃない空間の見え方をシミュレーションする「Curved Space」ってソフト見つけた時、めちゃクソカッコええな思ったっけか。
ところがインターステラは、曲率が一定じゃない空間での光の歪み方を正確にシミュレートした上に、2時間の映画表現に落としこんでいるっていう所がありえない程カッコイイし、この映画でしか活用できなさそうな超ニッチなレンダラーを開発した人を尊敬するし、こう、色々置いて行かれた気がして悲しい。
とか言っちゃう自分の衒学趣味はいい加減自覚はしてるけど、とにかくインターステラ楽しみ
Three.jsで4次元立体
4次元立体の3次元へのステレオグラフ射影をシェーダで書いてみました.dimensionsというWebで見れる数学教育番組のCGが好きだったので自分でも作ってみようと.
GLSLでは4次までの行列しか扱えないので,アフィン変換は出来ませんが,今回は回転しか扱わなかったので4次の回転行列だけで事足りました.
uniform mat4 matrix4D;
uniform float distance;
uniform int stereograph;
attribute float positionW;
void main() {
// transform in 4D
vec4 tPosition = matrix4D * vec4( position, positionW );
tPosition = normalize( tPosition );
// perspective projection from [0, 0, 0, distance] to XYZ hyperplane
float d = distance / ( distance - tPosition.w );
vec3 pPosition = tPosition.xyz * d;
gl_Position = projectionMatrix * modelViewMatrix * vec4( pPosition, 1.0 );
}
「4次元空間内での座標変換」→「3次元への投影」→「3次元空間内での座標変換」 + 「2次元への投影」と, 2回座標変換と投影が必要になりますが,基本的な事は全く同じです.
この調子で色んな立体をつくろうとおもった矢先,jenn3dというツールを発見してしまいまして.こっちからフォークして,自分なりに弄くり回した方が間違いなさそう.
ちなみにjenn3dからstl書き出ししたモデルデータを使って #everyday 作りました.
これを使ってモーショングラフィックスできたらなーと思ってます.
ちなみにFlat Torusがお気に入り.
すごさ
すごさ ってシンプルに重要な要素だと思う。
センスの良さって、自分で思っている以上に狭いコミュニティにしか伝わらないものだったりするし。ところがすごさって、ちゃんとすごければ、クラスタを飛び越えて理解してもらえるような気がする。
すごくなさをセンスの良さや手法論、コンテクストでもって誤魔化しているような作品って、同じ作り手の共感は買っても、中学の同級生には「で?」の一言で看破されて終わることが多い気がする。
すごさ欲しい。
小銭減らし
「1」のつく小銭を4枚まで,「5」のつく小銭は1枚に収めるように会計をするというゲームが去年からマイブームだったので,最適なお金の出し方を計算するツールをなんとなく作ってみた.どういうことかは分かる人は直ぐに分かると思う.
ちなみに最近は,「その後の割り勘でお釣りが返せるよう小銭の枚数をキープしながら,飲み代を建て替える」のにハマってる.
アナロジー
マネー・ボールを観た。映画としての感想はいいとして、少し考えさせられるものがあったので忘れないうちに書いておく。
自分たちを、マネー・ボールに登場する「経験と勘に頼るスカウトたち」側の人間だと客観視できる人はそう居ない気がする。
マネー・ボールが結果的にある程度の成功を収めたという史実を知っていて、なおかつ映画を通して三人称視点で見つめることの出来る僕たちにとっては、ビリーもスカウト達に劣らず野球に対する愛はあって、ただその立場と用いた手段の為にチーム内や世間に理解されず、一時はバッシングを受けていたに過ぎないんだ。と客観的に捉えることができる。
スカウト達は、自分たちの経験則を盲信し、ビリーのやり方に「野球は数字じゃない」と反発する老害だ。
ただ、あのスカウト自身にとっては、ビリーは自分達が長年培ってきたモノを数字で否定する合理主義の化身で、目の敵にしていたに違いない。
何が言いたいかというと、アナロジーでもって自分を三人称視点から見つめるという発想だ。
FaceBookで最近Viibarの広告が流れてくる。
クラウドソーシングがクリエイティブ業界を侵食することに対するどことない抵抗感は、もしかしたら、僕がそのうち「勘を頼るスカウト」側の人間になっていくことを仄めかしているのかもしれないと思った。
イージング
ルックは然ることながら、イージングが一つ作品のトーンを作り上げているような映像は観ていて楽しい。
androp – MirrorDance | dir. 田向潤
andropのMVの中では一番好き。クラップに合わせての初速キツ目のイージングが、
乾いたリズム感を強調していて小気味いい。
X-MEN First Class Main on End | prod. Prologue
重厚なオーケストラにソウル・バス的なミニマルというギャップがいい。
音のピークから微妙に遅れて、引きずるようなイージングや
不安げに揺れるゴースト表現が、硬派で不安定な空気感を醸し出している。
モチーフの選び方も、オゾンの匂い漂うクリーンルームを連想させるような
2重螺旋を描く構造式、塩基のアルファベットなどの分かりやすいメディカル的モチーフを敢えて避けて、
プリミティブな円と多角形でDNA周りの機構を暗喩的に表現している所がニクい。
Tei Towa – MIND WALL | dir. 中村剛
絶えず視点が揺れ動いている。
ちぐはぐさを感じさせるブレたイージングが、子供の絵のようなルックに病的さを加えている。
砂原良徳 – Lovebeat | dir. 小島淳二
線形補間といったらこれ。
モーションが飛ぶ所も、フレーム落ちや中途半端にキャッシュが残っていた時のAEプレビューみたいなんだけど、
一見エラーのようで計算されつくされている。
多分自分が、日本の局所的なクラスタに居るからってだけなんだろうけど
何となく、目指すイージングが似通っているような気がして。
誇張されたスプリング感と吸着感。
「ニューーーーン!」みたいな。
個人的にだけど大橋さんは、吸着感というよりは、入りと抜きの速度を強めに、中間でフワッと決め絵を見せていくイージングが多くて、少し逆の方向を行ってる気がする。
かくいう僕も「ニューーーーン!」をやってしまいがちではあるんだけど、できることなら案件ごとにイージング感をいくつも使い分けられるようになれたら良いなとか思ってる。
小銭減らし
以前書いた、「財布の小銭を最小限に抑える支払い方の求め方」について考えてみた。
ここでは仮に “「1」のつく小銭が4枚以下、「5」の付く小銭が1枚以下となっている状態” のことを「最適化されている」と表現する。自分の手持ちの小銭は既に最適化されていて、なおかつ小銭も必ず最適化された状態で戻ってくると仮定した上で、手持ち額以内のどんな支払額に対しても、返ってきた小銭と手持ち合わせて最適化されている状態を維持出来るような支払い方の求め方だ。
手持ちの小銭の中で、支払額以上かつ支払額との差が最も少ない小銭の組み合わせで仮に支払った場合、戻ってくるお釣りについて以後考える
↓
可能であれば、お釣りの1円玉と合わせて5枚になるよう、手持ちの1円玉を支払う。その結果、お釣りの1円玉5枚が5円玉1枚に繰り上がる。
↓
可能であれば、お釣りの5円玉と合わせて2枚になるよう、手持ちの5円玉を支払う。その結果、お釣りの5円玉2枚は10円玉に繰り上がる。
↓
(以後五千円札まで繰り返す)
「冷房を下げて」
「冷房を下げて」が2つの意味で解釈出来るの、おもしろいなーと思った
「冷房(の強さ)を下げて」だとあったかくなるし
「冷房(の設定温度)を下げて」だとさむくなる
クリエイティブ・ツイート・マン
大学1・2年の頃、モテクリエイティブ学生クラスタなるものを目の敵にしてディスっていたのを思い出した。
奴らは、別にモノづくりに対して”studious”な状態(意識高い用語)になったことなんて無くて。ただ、イケてる人生を送りたいが為にクリエイティブとかいう洒落た響きの領域にファッションで足突っ込んでるだけでしかないんだ。
その証拠に、奴らのTwitterのプロフィールのURLは、ポートフォリオじゃなくて、いかに自分がクリエイティブなマインドを持っているかを誇示したいがためのエントリが並ぶブログだったりする。
というか、そもそも奴らモノなんて作ってないじゃないか。どこぞやのクリエイティブ・ディレクターの語るアイディア論を引用して、さもその真意を汲めているかのように「わかるなぁ〜」ってツイートする。奴らはクリエイターなんかじゃない。クリエイティブツイートマンだ。
質の悪い事に、奴らはセルフブランディングだけはいっちょ前なんだ。クリエイターとクリエイティブツイートマンを区別出来る程のリテラシーの無いクリエイティブミーハーバカを囲い込んでるから、無駄にフォロワー数多いし。
とはいえ、どうせ就活ではうまいこと「オモシロい学生」を演出して、家入一真に気に入られたり、電博なりいって、クリエイティブを武器に一生モテて行くんだ。
とか、そんな風に決めてかかって彼らの事を観察していたと思う。
今、彼らが何をしているかといえば、本当に電通行った方も居るし(いや、多分かなり手を動かしていた方だったと思う けどFacebookの職業欄には「便通」と書いてある)、起業された方もいれば、学生を続けている方もいる。
ただ、かくいう僕も、そういうTwitterに蔓延るエセ・クリエイティブ・マインドを看破して、攻撃し続けるという戦略でもって「カウンター精神に溢れたオモシロい学生」を演出していたような気もするし、「あざとさ」という意味では彼らも僕も多分、同じカテゴリに分類されていたのかもしれない。
黙っていいモノ作る人がやっぱ一番イケメンだと思う。つくづく感じる。
試行錯誤
トライアル・アンド・エラーって言う奴は大概クソだけど、トライ・アンド・エラーっていう奴はよりクソ。