このページは個人的なメモ書きです。何かあればご連絡ください。

• 「人間でなくてはできないこと」により一層の価値が生まれる（川村真司）

これも典型的なAIの擬人化用法。テクノフォビア的な反発と、AIというテクノロジーを誰が・どういった形で寡占しているのかという現況への異議とをまぜこぜにしているんですよね。「人間じゃなくてはできないこと」に自ずと価値が生まれる、という客観を決め込むスタンスはAIがスケールするまでの延命措置でしかない。自分はというと、人間ができることをより作為的にフェティシャイズしたほうがいいという考え方です。

There is no cloud, it’s just someone else’s computer. はgen AIにも言えて、テクノロジーとしてのAIと、そのAIが誰によって所有されどういう形で提供されるかを峻別しない語り (というか煽り) はナンセンスだと思ってる　AIを擬人法的に用いる言説 (e.g. 『AIが仕事を奪う』) を目にする度感じる

危惧されている層をあまり観測できてないだけで、タイプビートは早い段階でAIに置き換わりそう

生成AI、議論の中心がテクノロジーとしてのそれとどう実存を保ちながら共存していくかに偏っている印象がある。それが誰によってどう寡占され得るのか、LLMはコモンズに帰すべきなのかという視点がわりとスルーされているのが不思議。ドミニク・チェンさんは流石

ChatGPT、 何が問題か元グーグル社員 「非常に無責任で無謀」

ドミニク・チェン (情報学研究者) 2023年4月6日17時16分 投稿
【視点】 ChatGPTという技術の各論とは別に、わたしが今回のマイクロソフトからの投資の流れも含めてとても疑問なのは、 特定の企業に与することなく公共に研究結果を還元する非営利組織として開始したOpenAlが、2019年にはcapped-profit型の法人に変身していたことです。capped-profitとは利益上限付きという意味で、その上限を超える収益があれば元来の非営利組織に還元されるとしています。 OpenAI代表のアルトマン氏は汎用人工知能が実現すれば資本主義が瓦解すると信じているという報道がされていますが、 これまでシリコンバレー発の情報産業が同様の理想を嘯いて現代の監視資本主義につながった経緯を反復する動きのように見られます。この記事でウィテカー氏が指摘するように、研究を実施する際には厳密な倫理審査のプロセスが必要となります。 また、 短期的な実験室実験の意味は近年の学術界では薄れており、長期的な量的、もしくは質的な調査を通して、 ある技術の人や環境にもたらす影響を慎重に調べることが重要です。 わたしはChatGPTには現時点でも様々なメリットがあると思いますが、中長期的に使用した際に起こる可能性のある依存問題や、 人の学習過程に与える未知の影響などについては留意しなければならないと考えています。利益にばかり注目して、問題は起こってから対処すればいい、という稚拙な考え方が、現状の情報技術を巡る惨状をもたらしたことが明確になりつつある今、OpenAI社の姿勢には大いに問題があるとわたしも思います。ただ、Google社の内側からウィテカー氏や、 より望ましい情報技術の在り方を啓発するNPOを作ったトリスタン ハリス氏が出てきたように、 OpenAI内部からも良識のある研究者が議論を巻き起こし、それを受け止められる素地を同社が持てることを祈っています。

https://digital.asahi.com/articles/ASR444W17R42ULFA004.html

Mimic

• 創作AI、技術そのものへの反発、適法性への反発、その専有のあり方への反発とがひと括りに語られるのは解せない。
• 自分がムカつくのは最後の一つだけ。
• AIに模倣される程度に過剰に様式化した界隈とプラットフォーマーしぐさに興じる界隈とで、ギリ後者への嫌悪感が上回るというのが本音かもしれない。ハッカー文化かぶれとして根がリバタリアンなので、コピーレフトなSDの登場もNovelAI流出も歓迎している。
• 一点考えを改めるとしたら、AIに食べさせられない権利は、改正著作権法関係なく見当違いだったのかも。ただ一方で、ネット上の創作物がAIエンジニアにとっての公共知であるのと同様に、その公共知を用いて生み出されたモデルそれ自体も公共知という立場。
• 学習済みモデルを使いやすくするためのソフトウェアを用意したり、GitHubのようなコモンズを維持する形で間接的にデータセット提供者に価値還元するのではなく、モデルを専有することでメイクマネーするのはダサいし、どのみちSDのオープン化以降は無理ゲーとも思う（適法性や経済合理性の話ではない）
• NovelAIがスクレイピング元を明示していたのは無感覚さというよりはある種の誠実さとすら思っていて、Mimicも同様にスクレイピング元とモデルを公開すれば自分の溜飲は下がるのだけど、今までの流れ的に恐らく逆効果なので、スタートアップ/AIエンジニア界隈同様に自分の感覚もズレてはいそう