Baku Hashimoto

橋本 麦

アートとデザイン

アートは「問題提起」で、デザインは「問題解決」

凡庸な答えになってしまうけれど、この認識が一番シンプルで的を射ていると思う。誰が言っていたことか忘れたけど。ここでなにやらウマい事言いたい気持ちもあるんだけど、別に大喜利でもコピーライティングでも無いので。

多分、これくらいザックリした認識以外捉えようが無い気がする。

一重に「アート」といっても「商店街をアートのちからで盛り上げよう!」のアートと村上隆がやっているアートとでは全く意味が違うし、デザインという言葉自体、グラフィックデザインに限らず、定義通りに言えば「ある対象について、良い構成を工夫する」行為全般を指す抽象度の高い概念なわけで。

だから変に奇をてらわずこのくらい当たり前のことを言っておいた方が、そういう言葉の意味のブレをバランス良く吸収出来るんじゃないかなぁ、と思って。僕個人はアートとデザインの違いについて聞かれた時、こう答えるようにしている。

そもそもアートとデザイン自体、排他的なカテゴリでは無くて、X軸とY軸のようなものだと思う。その平面上に点としてプロットされた作品はアート的側面とデザイン的側面の両方を孕んでいる訳で、明らかにどちらかの要素が大きければ、おおよそそれはアートだよね、デザインだよねって決着が付く。y=xの近くの作品に関して言えばこれはアートだ!デザインだ!とか厳密に判定できっこない。貴族社会の時代や戦時下の芸術家のようにクライアントワークとして、プロパガンダとしてアートを作っている人達もいれば、ミュージック・ビデオのように、広告でありながらもアート的側面の強いジャンルもある訳で。

この手の「概念の定義」についての尽きない議論って、「その概念にカテゴライズされるものそれ自体が、その概念の境界を定義付けている」場合が多いから、「どちらが定義として正確か」という対決に意味はないよね。議論それ自体が無意味ではないにしても。意見交換だと思っておいた方がお互い楽だなーと思う。アートとデザインの違いについての考察の深さと良い作品を作る能力っていうてそんな関係ないし…。